Interop Tokyo 2012 2日目 「IPv4アドレス調達とIPv6 Launch」
2日目の最終です。
さすがに、一日に7つも講演を聴くのはしんどかった・・・。
○ IPv4アドレス調達とIPv6 Launch 17:00-17:40
講演者:江崎 浩氏(東京大学/IPv4アドレス枯渇対応タスクフォース主査)
前村 昌紀氏(社団法人日本ネットワークインフォメーションセンター/
IPv4アドレス枯渇対応タスクフォース広報WG)
江崎先生は別件の会議のため、Skypeで途中から遠隔で講演予定
ということで、まずは前村氏の話から。
・IPアドレス枯渇タスクフォース
・APNICが始めて枯渇した地域
→ JPNICはAPNICと共通なので、同じ時期に枯渇
・ISPにおける逼迫状況はまちまち(現在は、まだ無くなったという悲鳴は聞こえてきてはいない)
→ IPv4枯渇対策が必要
・現在はIPアドレスの再分配などの効率化でしのいでいる。
・爆発的に増加した原因のうち、大きなものはスマートフォン。
・長期的な理想系としては、IPv4からIPv6に切り替えていかなければいけない、
ということは、みんなが認識をしてはいる。
・JPNICは7年位前から啓蒙活動をしていたが、そうそう無くなる様なものではない、
と、なかなか同意されなかった。
・クラスAを分配しているところから回収し、再分配するだけでは、いつかまた枯渇するのは目に見えている。
・それぞれの立場
・サービス事業者
→ IPv6対応すると費用がかかる。
→ 見に来てくれる人が居なければコストを回収できない。
・回線事業者
→ 利用者が見に行く場所が無いのに、コストはかけられない。
・IPv6 Launchで、GoogleやFacebookがIPv6デュアルスタックに対応
・auは対応済み(細かい話は聞き逃したが、かなり高評価とのことだった)
・NTT東西はフレッツネクストで対応済み
→ 当たり前のIPv6アクセスが出現している
・事業者の共通認識
→ IPv6にはいつか対応しなければならない
→ 枯渇対応ではなく、プロトコルアップグレードという認識。
→ 投資の正当化が難しいが、少しずつ、数年かけて投資していく
→ 機器更新のタイミングで、IPv6対応した機器にリプレースしていく
→ リテラシーはコストを下げる
→ エンジニアへの教育や啓蒙によって、構築・運用のコストは下がるだろう。
・枯渇後の新規アドレスの取得
→ 普通のアドレス分配はできないが、アドレスブロックをひとつ確保している
→ /22ブロックを配布可能
→ 最小単位は/24
→ 割り振り基準を満たす必要がある。
・IPv4アドレスの移転
→ JPNIC管理下のアドレスのみが対象
→ 移転元と移転先両者の署名捺印済みの書類提出
→ 需要立証なし
・IPv6のテストベッドを提供
ここから江崎氏に講演者が変更
演目:本格稼動を開始するIPv6サービス基盤とIPv6 Launch
・6年後に半分くらいのユーザがV6になる(googleの試算)
・Top1000の10%がv6に対応済み
→ 上位の企業は、ほぼデュアルスタック対応済み
・ルーマニアのネットワークは、5月から6月に向けて、IPv6のトラフィックが増えている
・3000を超えるサイトが参加済み
・ISPとしては60強
・アカマイも対応中(移行中)
・アカマイは、v4オンリーで提供しているサービスを、v6で動かすサービスを開始している
・ルータは、Cisco、D-Link、YAMAHA、NEC、ほか、
→ 日本の企業が2社も対応しているのは素晴らしい!
・AAAAフィルタは害が大きいからやめたほうがいい
・2013年に、IPv6 Launch in Japanをやりたい(川村氏@biglobe)
・CSPとISPによるIPv6の共同実験が必要なのでは(山崎氏@BBIX)
・今年中に、三つの対策を提供予定だが、根本的な解決方法とは考えていない(岩佐氏@NTT東)
・結論
1.AAAAフィルタが要らないようにするべき!
→ IPv6の導入・普及が本質的な解決
→ CSPがデュアルスタックでのサービス提供 → ISPがIPv6に対応することによる優位性を持てる
3.IPv6をONにする障害をなくす!(障壁?)
4.Let KAME swim!
・日本は対応が遅れているので、このままでは日本パッシングになってしまう危険性が高い。
→ がんばって対応していこう
・台湾や韓国に比べれば、日本のレジスタのレベルは圧倒的に高い(前村氏)
→ 関係者の努力には敬意を示すが、ゴリゴリ進めていかないとやばいよ(江崎氏)
・まだみんながReadyにはなっていないので、本当の意味でLaunchにはなってない。
・日本がLaunchするときには、そこらへんを充実させていかなければ。
感想
キャリア側が対応して、いつの間にか自然とIPv6になっていく、というのが良かったです。
個人的には、IPv6への全面移行というのには、ちょっと否定的なのですけれどね。
でも、もたもたしてると枯渇してしまう、というのも確かなわけで。
IPアドレスの「次」が、早く実用化されてくれれば良いんだけどなあ。
というか、「次」も「IP」がベースになる技術だったらどうしよう・・・。