漂書

ぼちぼちと、ゆるゆると

Interop Tokyo 2012 3日目 「ShowNetに見る近未来ネットワーク仮想化の姿とOpenFlowの真実」

いよいよ最終日です。

3日目は、PCも順調、席にもちゃんと座れたので、ちゃんとメモが取れました。

ShowNet に見る近未来ネットワーク仮想化の姿と OpenFlow の真実 11:00-11:40

 講演者:宇多 仁氏 / 関谷 勇司氏 (Interop Tokyo 2012 ShowNet NOC Team ジェネラリスト)

・ShowNetとは?

 ・最新の技術、機器を集め構築される近未来のネットワーク

  → 「明日のネットワーク」を意識したデザイン

 ・世界最大のライブデモンストレーション

  → 新技術の相互接続検証をするためのラボ

 ・contribution(機器、技術、人材)によって構築

  → 60を越える

 ・年々、特定ベンダの機器で作られる傾向が高まっている。

  → ベンダ各社が集まって作っているのは、いまやTokyoだけ!

 ・Reborn to the Future

  → これからのネットワークがどういう形であるべきか

  → サービスオリエンテッドなネットワークに変わっていく

   → ボトムアップからトップダウン

     (下位レイヤの制約から上位が決まっていくのではなく、

      「やりたいこと」を実現するための方法を、ソフトウェア制御で実現していく)

 ・見所(すべてメモしきれませんでした)

  ・ Enterprise

   → 40GbE

   → スタック

   → MC-LAG

  ・事業者

   → MultiService用VPLS

   → コンテンツキャッシュ

    → 10年前からある → キャリアネットワークに入ってきているのがポイント

     → 小さなISPにとっては、トランジット接続のコストが馬鹿にならない

   → Fabric技術

  ・IPFIX

  ・トポロジーの可視化

  ・EtherOAM

   → 実際は多様なプロトコルがある

  ・セキュリティ

   → 標的型攻撃

  ・ファシリティ

   → DCIM

    → 環境モニタ

     → 日本は土地の単価が高い → 機器の密度が高い → 冷却効率

     → 当初から、インタオペラビリティを意識して構築

  ・サーバ

   → オープンソースのハイパーバイザーの隆盛

    → でもやっぱり、ESXi前提のソフトウェアアプライアンスになってしまいがち

   → 一方、KVMの安さも魅力

  ・測定器

   → テスト自体の自動化による効率的な検査・検証

    → 光スイッチ、光アグリゲータなど

  ・OpenFlow

   → OpenFlowのさまざまなユースケース

    → 「オープン」に着目

    → セキュリティ

 ・IPv6移行技術

   → 実利用され始めたNAT64

    SA46T、464RAT...

   →移行技術にはいろいろある

    → どこに使うかで使うかで、選択すべき移行技術は変わっていく

     → とは言っても、どれを使っても大丈夫

 ・無線

  → メッシュ&ビームフォーミング

   → 本格的なWi-Fiの普及

   →ビームフォーミング

    → クライアントの方向を見ながら、そこに強い電波を出す

    → ShowNet会場では、2.4Gは使い物にならない。5Gは大丈夫かも?

    → この会場に基地局が1000個くらいある → S/N比がどうしようもない

 ・40Gのスイッチ

  → サーバで40Gに対応しているものがあまりない。

   → テスタでトラフィックを掛け、負荷を高めている。

 ・100G

  → 今年は真面目に負荷を掛けて、テスタ等も組み合わせている

   → ダイナミックLAGも

 ・DC同士をShowNetのバックボーンを使って接続している(拠点間のL2延伸)

  ・VPLS with MC-LAG

   → スタックを使えばいままでも出来ていたが、管理プレーンが一つになってしまう

    →冗長性に若干の不安

     → 二つの回線を効率的に使う為に、MC-LAG

   → 上流側が2つなのであれば、下流も2つでいくべき

    → 上下ともにMC-LAG

   → 基本的には、キャリアなどが提供するサービス

  ・OTV(Cisco)

   → IPリーチャブルならネットワークはなんでもいい

    → DC側で対応する

  ・もう一つはWAN高速化装置

   → 疑似拠点間には120msの疑似遅延を挿入してデモしている

    → 隣同士のラックでは、遅延なんて起きっこないため、高速になりようがないから。

     → ほこたてw → NOCブースのホワイトボードにも書いてありましたw

 ・DC内

  → 今年はFabric

   → 片側ではBrocadeのイーサネットFabric

   → もう片方は、CiscoのFabricパス

 ・EtherOAMのチャレンジ

 ・4Byteペアリング

ここから関谷氏(OpenFlowについて)

 ・OpenFlowを使ってみた

  → 3つのチャレンジ

   → セキュリティ → いちばん苦労した

   → ライフ

   → アクセス

    → これはデモ環境の構築、という感じ

 ・セキュリティ

  ・OpenFlowを使って、s-Flowなどを使ってトラフィックを検知し、

   あやしいトラフィックを検知したら、そのパターンをコントローラに伝え、

   OpenFlowスイッチに指示をして、ルートをねじ曲げてブロックする、という動作をさせている。

   ・NTTコム提供のフロー解析ツールを使っている。

   ・RISEコントローラ

    → Tremaベース

    → OpenFlowスイッチ

 ・ライフ

  → 構築と生活を分けて、一つの平面で二つのネットワークを動かす

 ・現状で出来ること

  → 各社、1.0仕様で機器が作られている。

  → 相互接続は、まだ「夢」の段階。

  → 各社の癖や、仕様の解釈に違いがあるので、構築する人が調整する必要がある。

  → ルールを入れたから動くわけでは無い。

   → これは、いわゆる「作り込み」で凌げるようなレベルにも達していない段階

 

 ・苦労した点

  → コントローラがすべて!

   → コントローラが少ない

    → コントローラは難しい!

   → トポロジ把握のLLDPひとつとっても挙動が違う

   → コントローラがサポートしているOpenFlow製品しか制御できない

    → これって、本当に「Open」なのか???

 ・よく語られる夢のような使い方

  → VLANの4096枯渇問題を越えられる

   → OpenFlow内部はMPLSラベルや独自フィールドを用いて、VLANの「ような」制御は可能

   → しかし、末端スイッチに届ける場合にはVLANとなる

 ・管理コストの低減

  → 現状ではコントローラの調整には多大なコストを要する

   →構築コストや運用コストはそれほど変わらない(むしろ上がるかも)

 ・柔軟なネットワークを構築できる

  → 真ではあるが、その対価が見合うかどうか

   → 既存技術の方が安い!

  → 従来のQ-in-Q、MPLS、VPLS、Fabricとの比較

   → OpenFlowを使うことのメリットは?

 

 ・OpenFlow構築を担当したメンバいわく

  → 5/31から泊まり込みでネットワークを作っている

   → 専門家集団が数人がかりでも、14日でこのネットワークが作れるかどうか

    → コントローラを作れる人じゃ無いと構築は難しいのでは

     → ポリシーを放り込む機器を識別して、アクションを放り込む方法を変えなくてはいけない

 ・課題

  → 規模性

  → 冗長性

   → 同期ずれや耐呼称性、コントロールプレーんを分離したことによる弊害

    → コントロールプレーンへのアクセスが切れたときの制御は、

      現状では各社でバラバラな仕様になっている

  → 追跡可能性

   → デバックなどが充分に揃っていない

    → 光レベルでのパケットダンプしかないのが現状

    → パケットカウントですら信じられないような状況

  → 相互接続性

   → 多数ベンダ製品の制御

   → コントローラの多様化

 ・しかし可能性も

  → SDN技術に未来が無いわけではない

   → これからのネットワーク(インターネットでは無い)を買えていく技術だろう

   → 適用範囲を限定し、限定した製品で作り込めばコストに見合うものになっていくはず

    → 大手はそういう方向で進んでいる

 ・概念としては有用、今後製品化がさらに進む

  → OpenFlow1.3ベースの製品が出てくる(各社はここをひとつのターゲットにしている)

 ・新たな使いかた

  → コンテンツオリエンテッド

  → クオリティオリエンテッド

  → ユーザオリエンテッド

 ユーザからのデマンドで、ネットワークを瞬時に変えていくようなネットワークになっていく。

感想

 とても面白く、興味深い講演でした。今回の講演でナンバーワンかも。

 内容もとんでもなく濃くて、メモするのが追っつきませんでした。

 また、お二方とも、語りが上手い!

 特に、後半の関谷氏が語ったOpenFlowの構築に当たっての部分が最高でしたね。

 OpenFlowというものは、まだ黎明期の技術なんだな、ということが、

 実際に構築した人たちの視点からの語りで、聴いてる側にも実感として伝わってきました。