漂書

ぼちぼちと、ゆるゆると

「新世代ネットワーク推進フォーラム」が設立

総務省が、なんか始めるみたいです。 IPを使わない“ポストNGN”ネット,総務省が推進フォーラムを設立 新世代ネットワーク推進フォーラム うん、その心意気や良し。 ちょっと遅きに失したような気が、しないでもないですけれど。 でも、これをやらなきゃ、日本の存在感は薄れる一方。 全日本を挙げた産・官・学が協力して取り組むそうです。 海外の各種標準化委員会への働きかけが最重要課題となるでしょうね。 技術的にどれほど優れていても、それが標準化になるわけではないから。 それは、痛いほど身に染みて分かっているはずですけれど。 とはいえ、TCP/IPの持つ使い勝手の良さを越えるのは難しいだろうな、と思います。 米国ではGENI/FINDが始まっています。 今回のforumは、これに対抗するためのものであることは自明でしょう。 すでに日本にも、AKARIプロジェクトが始まっています。 この設計思想は、かなり素晴らしいと思います。 Networkは、多くの要素が複雑に絡み合って、有機的に稼働しています。 ここで主権的な位置を占めることが出来れば、経済的な優位性も相当なもの。 だから技術優位性だけでは、全世界的なconsensusを得ることは出来ません。 Networkとは繋がるものであることが前提です。 ということは、パイの絶対数が少ない日本が主権を取るのは、相当難しい。 高度な外交や強烈なLeadershipによる駆け引きが、技術と同じくらい重要になる。 ということは、総務省主導では力不足にならないかな、と思ってしまいます。 省を横断するようなprojectにする必要があるのではないかと。 そうでなければ、オールジャパンとは言えないのではないか。 でもそうなると、省同士の足の引っ張り合いが始まっちゃうのかな。 それが日本省庁の伝統芸だしなぁ。日本に限った話ではないけれども。 日本の持つ技術力は、世界でもTop Classです。 なのに存在感をAppealできないのは、偏に外交下手に依るものです。 今回のprojectが成功すれば、歴史的な節目になることは間違いありません。 過去に経験した数々の失敗を教訓に活かし、成功して欲しいと痛切に願います。 こういうprojectにこそ、予算をがんがん使って欲しいと個人的には思います。 でも下手に表に出てしまうと、理解できないマスコミとかがすぐ叩く。 なので、水面下でひっそりと進めていってもらうのがbetterなのかも。 もちろん、使ったお金の分だけ、結果を出してくれなきゃ困るんですけれど。 水面下に潜ると、途端に{{たが}}が緩むのも伝統芸だしなぁ。 こだわりすぎて結果を出せない、とならないことも重要。 日本の失敗原因としては、これが一番多いような気がする。 民族性として仕方のない部分ではあるのですけど、ある程度の妥協がないと先へは進めない。 主導ではなく、誘導することが出来れば完璧ですね。 それは本来、日本人が得意とする部分であるはず。 なぜなら、空気を読むことに長けた民族なのですから。 読むことが出来るのなら、それを動かすことは延長上にあるはずです。 いろいろ書きましたが、この仕事が出来るのは、本当の天才たちだけです。 今後の動向に注目していきたいと思います。 あと、このようなprojectであれば、公開文書のformatがMS Wordというのは駄目だと思います。