漂書

ぼちぼちと、ゆるゆると

「地球シミュレータ」は廃棄しちゃ駄目だと思う

【スクープ】地球シミュレータが08年度で停止、次期機は汎用製品で100テラを目指す 中身を読んで、おいおいそりゃ無いだろ、という部分が一点。 ものがComputerである以上、陳腐化していくのは仕方のないことです。 目的を考えれば、入れ替えは当然の帰結だと言えます。 むしろ7年もの間、第一線で動き続けていたことを賞賛するべきだと思います。
現在の地球シミュレータの性能は35.8テラFLOPSでTOP500の世界20位。
という部分なんて、本当に素晴らしい業績です。 そしてまた、次世代のComputerを汎用機で賄うというのも、まあ理解できます。 個人的には、あくまでも独自仕様でいて欲しかったなぁ、と思いますけれど。 用途が限定されている以上、汎用機は不合理ではないかなぁ、と。 こういう機器を頂点に置いて、その研究から下ってくる技術を汎用機に組み込む。 そういったprocessが、技術進化として本来の、そして理想的な姿じゃないのかな。 汎用機で基本性能を上げて、力業で総合性能を引き上げる、というのは優雅じゃない。 Customizeを重ねて洗練させることで、最適な動作をさせる形式の方が美しいと思う。 とはいえ、予算とか、いろいろと生臭くて泥臭い部分があるのでしょうね。寂しいけど。 で、これは駄目だろ、というのはこの部分。
現在の地球シミュレータは電源が落とされ、引き取り手がなければ廃棄される可能性が高い。
いや、廃棄しちゃ駄目ですよ。絶対に駄目だと思う。 Computerの歴史として、きちんと保管しておくべきです。 「地球シミュレータ」は文化遺産だと思うのだけれどなぁ。 設計資料とかそういう関連書類と一緒に、博物館なりに入れるべきではないのかな。 別に、電源を四六時中入れておく必要なんか無いんだし。 年に数回、eventとして火を入れる程度でも充分だと思います。 その動きや思想に影響されて、新しい何かを産み出す切っ掛けになるかもしれない。 廃棄するということは、その可能性を全て消し去ってしまうということです。 何とかならないものですかねぇ。 つ地球シミュレータ いや、そういうことではなく。