漂書

ぼちぼちと、ゆるゆると

小沢代表の辞意撤回

小沢氏の辞任撤回を受けて、いろいろとBlogに記事が出て来ていますね。

いちいちリンクを張るのは止めておきますけれども。

背景にあるのが渡辺恒夫氏、という内容が多いみたい。

各種Mediaでも、そういう内容の記事が出て来ているようです。

個人的には、小沢氏の辞任撤回には、それほど驚きませんでした。

むしろ「なんだ、結局はこうなるんじゃないか」という脱力感です。

この背景にあるのは、民主党の本質的な脆さと弱さです。

あんな辞任表明をした党首を留めようとする構図は滑稽でしかない。

自分たちの組織を、けちょんけちょんに言われたのに留めるとか、ねぇ。

この顛末は、民主党が内包している問題を顕在化させただけです。

民主党の駄目っぷりが分かっている人は、驚いていないと思います。

小沢氏が逃げ切れなかったのではなく、ある意味、背水の陣で勝った感じ。

今後の政局は予定調和的に進んでいくんじゃないかなぁ、と思います。

小沢氏もしばらくは大人しいだろうし。

というか、そもそもやる気が無くなってるんじゃないかな。

福田総理の手腕が発揮された瞬間でもありますね。

大連立という賭けの、勝率の高さを読み切ったことが勝因。

どちらに転んでも、自民党への影響はそれほど無かったと思います。

この結末は、普通に大連立を組むよりも、自民党にとって良い結果でしょう。

民主党は、また反対反対の大連呼に戻るだけですから。

あとはその状況を、国民へと冷静に伝えていくだけで良いと思います。

参議院から出て来た民主党の案を、少しずつ都合良く受け容れながらね。

そういう大人な対応が続けば、民主党への反感が高まっていく。

あとはマスコミのcontrolさえ誤らなければ、支持率は勝手に上がると思います。

そうなれば、事態を打開するためという名目で解散総選挙に踏み切れる。

そこで自民党が大勝すれば、民主党の幹部が総入れ替えになる可能性が高い。

岡田氏や前原氏の再登板もあり得ない話ではないと思います。

となれば、そこで改めて仕切り直して、ゆっくりと協議を進めればいい。

問題は、この遅れはすべて国民生活を直撃するだろうなぁ、ということです。

今は顕在していないだけで、様々な火種が着々と水面下で育っている。

火種は種のうちなら消せますが、燃え始めたら手遅れなのですから。

失われた10年どころの話ではない事態になりかねない、と思います。

あと、渡辺恒夫氏についてですが。

これがマスコミという存在の本質ですから、別に問題ないと思います。

本当に問題なのは、対抗できる相手がいないことです。

あと、大手マスコミ各社の横並び体質、でしょうか。

渡辺氏は、マスコミなどに代表される、旧世代の旗手です。

それに対抗すべき新世代の旗手が出てきていないことが問題。

老獪さから来る影響力に対抗できるのは、行動力だと思います。

誠実で真摯な態度と、それを広範に知らしめること。

そういう組織を形成し、市場を席巻することが出来なきゃいけない。

保守革新という構図は、持てるもの持たざるものではありません。

もっと単純な、価値観と価値観の対立でしかないのです。

持たざるものが持てるものに対抗するのは、これまでは難しかったのも事実。

けれどインターネットの出現で、資本だけの勝負にはならなくなったはずです。

もちろん、最終的に勝負を決する要因は、資本に依るところが大きい。

けれど、そこに至るprocessが妥当なら、資本も自動的に集まってくる。

それが資本主義の本質であり、市場原理の具現なのではないかと。

その好例がAppleMicrosoft、そしてGoogleだと思います。

民主主義で政党政治なのだから、重要視すべきは支持母体の存在です。

党はあくまで看板でしかなく、その行動原理は支持母体の意見に左右されます。

支持母体の意見は、既得権を手放さずに済む方向にしか動きません。当然ですが。

この構図を崩すためには、一般国民の政治参加しかない。

けれど、そこは大手マスコミがガッチリと捉えているのが現在の構図。

だから、渡辺氏の影響力が半端じゃなく大きいという現状に繋がるわけです。

現状を憂うのであれば、まず、きちんと政治参加することが早道でしょうね。

Negative CampaignにNegative Campaignで対抗してるようじゃ駄目だろうなぁ。