漂書

ぼちぼちと、ゆるゆると

あきらめなければ、失敗ではない

とても良い番組だったと思います。本当に、いろんな意味で。

たくさんの示唆と可能性を、きちんと真剣に見せてくれたと思います。

やっぱり重要なのは、信念と出会い、なんですよね。

第79回(2008年2月19日放送) | NHK プロフェッショナル 仕事の流儀

知っている、ということは、別に偉くも何ともないんです。

全く同じ意味で、知らないことは恥でも何でもないんです。

それを知っている、あるいは知らない、という事実。

必要なのは、その事を、お互いがきちんと正確に認識する事だけなんです。

技術者に必要なものは、自らを誇りに思う、ということ。

それが本物であれば、儲けなんて度外視出来るはず。

お金とは、後から付いて来るものであって、言わばおまけに過ぎない。

そう思えない人は、「技術者」ではないんじゃないか、と思います。

とは言っても、「お金」を軽視して良いわけではないですけどね。

費用だとか予算だとかを正確に考慮出来ることも、「技術」のひとつですから。

営利企業であれば、儲けが必要。

その為に、営業という職業があるのです。

彼らは、技術を知っている必要なんて無いのです。

市場の動向を掴み、お客さんの声を聞く。それが仕事です。

そして、彼らが持ち帰ってきたものを、形にするのは技術の仕事。

その声を、「無理」の一言で捨て去る権利は、技術者には無いのです。

「出来ない」のであれば、その理由を分かってもらわなきゃいけない。

きちんと言葉で説明することも、「技術」なのですから。

さらに言えば、どうすれば出来るようになるのかも示す必要がある。

お金が足りないのであれば、なぜ足りないのかを説明する。

腹を割って全てを晒して話し合えば、そこから新しい何かが生まれる可能性は高い。

それが、「会社」というものの存在意義なのだと思うのです。

片山さんには、非技術者に必要な、あらゆる要素が揃っています。

番組を観た人で、片山さんを卑屈だと感じた人はいないと思います。

それは演出のせいだとか、そういうものじゃないです。

とにかく、懸命であること。目的に向かうことに必死であること。

必要なのは、その姿勢だけです。それを、"CHARISMA"と呼ぶのだと思います。

そして、それを持つことが出来なければ、「経営者」には相応しくない。

その目的が、お金であっても構わない。

けれどお金とは、あくまでも手段に過ぎないはず。

一人の技術者として、こういう人と組めたら幸せだろうな、と強く思いました。

最後の瞬間、みんな本当に良い顔していました。

これが、「ものづくり」の姿なのだと思います。

人が考えた物は、いつか必ず形になります。

重要なのは、思いつけるか、というただ一点に絞られます。

そしてそれは、常に「その世界」の外から入ってくるものと、ぼくは考えています。

意固地になってしまったら、たぶん終わりだと思います。

そして、「安い」誇りは捨て去るべきです。

がんばんないとなー。