漂書

ぼちぼちと、ゆるゆると

年度末だなー

この業界も、年度末は仕事の量が爆発的に増えます。

ほんと、あとからあとから湧いてくる感じ。

もしかしたら、建設や土木に匹敵するんじゃないかな。

まー、構造が建設業のそれを模倣してますからねー。これも必然か。

もともと非常に波の激しい業界で。

多い時期は、捌ききれないくらいの仕事がある反面、暇な時は本当に暇。

その要因は、おそらく分業体制がきっちり出来ていること。

要件定義、設計、検証、構築、納入、試験、引渡、それぞれに分かれてる。

といっても、大体3段階くらいかな。2段階のほうが多いのかも。

線引きとなる部分は、検証の部分が多いと思う。

3段階の場合は、納入の部分にもう一つ線が引かれる感じ。

ぼくの位置は、いわゆる下流工程。

つまり、検証、構築、納入、試験、引渡、ってのが主業務。

とはいえ大手さんじゃないんで、自社案件では上流工程もやってます。

でも、基本的には下請けが主。現場で日々頑張っとるわけです。

ちなみにBlogの更新が多い日は、事務所で暇してる時だったりします。はっはっは。

programmingやserver、配線の人たちとは違って、現場は大体一日で終わります。

大きい現場は違いますが、1年かけて延々同じ現場、なんてのはまず無いです。

一日で終わると言っても、事前の準備には何日も掛けてるんですけれどね。

現場をいかに素早く終わらせるかってのも、腕の見せ所だったりするわけです。

だらだらと長引かせてるような技術者は、ボンクラだと思って間違いないです。

まあ、技術者の業務以外のところがごたついてる場合もありますけれども。

下流工程は、当然ながら上流工程のあとに出番がきます。

要件定義や機器選定、topologyなんかが決まってからが本番です。

実際に機器を動かしながら、設計の不備を指摘して改善したりして組み上げていきます。

動作に確証が取れて、問題なく組み上がったら納入して、現場で試験です。

試験の結果が良好であれば、お客さんに引き渡して図書作って終了。

こういう流れなので、大きな波が来る時期は決まってるわけです。

夏と年度末。年末も多めかな。

夏場に集中する理由は、まだ真っ当です。

情報基盤を扱う以上、その上の部分が稼働していない時期にやらなきゃいけない。

小さい案件なら、夜間とか休日に出来るけど、大きいのは無理。

ちまちま少しずつ出来るようなものじゃないですからね。

変える時は、一気にせーのでやっちゃわないといけない。

まっさらの新規なら、別にそんなことは無いです。

けど新規なんて、そうそう無いです。大体はreplace。入れ替えです。

元々の構築が優れていれば、少しずつ入れ替えていくことも可能です。

技術そのものは共通なので、新旧の共存は別に難しくない。

けど、構築したとこがボンクラだと、どっかが止まると全体に影響しちゃいます。

そういうのの入れ替えは、やっぱりせーのでやらなきゃいけない。

となれば、そういうのが出来る時期というのは決まってきます。

つまり、大型連休か長期休暇。

大学なんかは長期休暇が長いので、必然的に夏休みが多くなるわけです。

企業さんも、連休は休みたいって場合も最近は多いので、夏が多くなってきてるかな。

7月くらいから検証を始めて、お盆に入れ替えって感じになります。

そういう現場は機器の台数も半端じゃないので、移行期間も多めに見積もらないといけないです。

細々した作業も、積み重なるとかなりの分量になりますから。

疎通試験一つ取っても、それこそ何千という分量になったりします。

一方、年度末。

こっちは、産業構造の不具合がもろに出てきてます。

つまり、「予算消化」ってやつです。

余った予算を使うために、それほど緊急性が高くないものを突貫でやろうとする。

しかも、納期は3末を厳守なので、ばたばたばたっと仕事が入ってくる。

大学の長期休暇もここに被さるので、分量がとんでもないことになることも。

年間を通じて、余裕を持って予定を組めば、こんなことにはならんのですけどね。

業界に入ってそろそろ10年になりますが、こういう状況には全く変化がありません。

僕らが暇してる時期に仕事を入れれば、かなりきめ細かく面倒みられるんだけどなー。

年度末は殺気立ってるから、いちいち細かいところまで見てらんないってのが正直なところ。

お客さんにとって、どっちが得かなんて考えるまでもない事だと思うんだけど。

ただ、あんまり余裕を持ちすぎても、技術者はだれちゃったりします(笑)。

効率よい業務ってのが信条なので、間が空くと他の事を入れちゃったりする。

仕事がないのに縛られる、なんてのは最も嫌うことでもありますし。

きちんとした作業予定を組んで、きちきちと順番に消化していければ最高です。

もちろん、想定外の事態なんてのは必ずあるので、それを吸収出来る余裕も必要です。

なんてことを、年度末になると毎年思います。

ほんと、「まとも」な現場って少ないなー。

現場の担当者は一生懸命やってくれてるんですけど、上とか周りが酷い場合が多い。

とはいえ、その逆の場合も往々にしてあったり。こっちのがより悪いです。

自分とこの基盤なんだから、ちゃんと協力してくれればいいのになー。

お客さんに必要なのは、「何がしたいのか」を正確に伝えること。

技術的なものは必要ないです。その部分は技術者がちゃんと汲み上げます。

そして、その実現のための環境作り。社内の調整とかね。

そこをやってもらえれば、技術者はちゃんと期待に応えます。

つまり重要なのは、お互いの信頼関係だけ、なのです。

といっても、馴れ合いになっちゃったら最悪です。一線はきちんと引いておく。

それはあくまでも「仕事」だってことを忘れちゃいけないのです。

けれど、仕事の押し付け合いになったら泥沼なので、歩み寄りも大事。

お互いがお互いの仕事に敬意を持って、やるべき事をきちんとやる。

それが出来ている現場が、「まとも」な現場だと思います。

そういう現場は、驚くほどに綺麗に回ります。そして、障害や事故も起こらない。

不思議なことに、機器の故障なんてのも起こりにくい。面白いもんです。

年度末は、なかなか余裕が持てないので、精神的にもしんどい時期です。

肉体的には、それこそ夜間作業が続いたりするんで、こっちも追い込まれる。

そういう時期だからこそ、意識して気持ちの余裕を作っていたいもんですね。

周りにこういう業種がいる人は、この時期はちょっと優しく接してあげると良いと思います(笑)。

まあ、この業種に限らず、年度末はどこも大変な時期なんだとは思うんですけれどね。

この時期の大変さを、綺麗に年間に均せば、だいぶ楽になるんだろうけどなぁ。