Globalismと日本の立ち方
切込隊長BLOG(ブログ): グローバリズムは何故、貧困を引き起こすか
面白かったです。
今後の展開について、だいたい同じような感じを持ってたからかな。
もしかすると、経済学を知らないと、同じような結論に至るのかもしれない。
ぼくも経済学を殆ど知らないので、それが正解かどうかは分からないけど。
経済学そのものが、けっこう誤謬の多い学問だったりするからなー。
誤謬があるというのは正しくないか。確率の学問だから、と言うべきかも。
これは、たぶん、日本の選択として、本当にどうにもならなくなるまで何もせず動かない、という選択肢を選ぶでしょう。日本とは、そういう国家であり社会であり国民であると私は思っています。だから、原理原則のところだけ大枠を決めておいて、それまでに政治的な頚の部分は極力シンプルにしておいて(暗部を暴いておいて)問題点の整理と解決の道筋だけでも考えておくのが一番効果的なんじゃないかと考えられます。という観察が鋭いと思います。
「動けない」ではなく、「動かない」という所が要点、かな。
危機感そのものを感じていないという国民性もどうかとは思うのですけれど。
小さい国家であるから、極に振れやすいのだと思います。
なかなか動き出さないけど、動き出すと一気に対極まで振り切れる。
基本的な部分で底が浅いのかも。「遊び」が少ない、ということなのかも。
だから、国家運営の方針として、
用意するだけしておいて、実際に起こるまで何もしないというのが、おそらく日本社会の持つ固有の知恵だと割り切って、迂闊に割を喰わないような外交的、安全保障的な部分だけ整理したほうがいいんじゃないかと思ってるんですけどね。というのが最大効率を得るための手段なのだと思います。
いよいよやばいとなって国民がわーわー騒ぎ出さないと、外向きの部分は何も進まないから。
何のかんの言って、奥ゆかしい国民性って事になるんじゃないかと思います。
匿名顕名論にしても、根本にあるのはそういうことなのかな、と。
いろいろと論理武装は立派ですが、総て張り子の虎に見える。
この辺の行動原則というのが、けっこう珍しい種類です。
たぶん、開拓精神というのが歴史的に欠如していることからくるものなのかも。
最終的に腰を落ち着けた、という種類の人類なのかも。
専門的な最先端分野での訴求力は、まだかなりの強さを維持していると思っています。
ただ、最先端の先を求めていく推進力みたいなものは、基本機能として備わっていない。
なので、最良の方策としては、最強に嫌らしいfollowerになることだと考えてます。
そしてこの考えは、けっこう昔から持っている考えだったりするのです。
「憎めないキャラクタ」を維持して敵を出来るだけ作らないよう立ち回る。
その影で、成熟していく文化や技術の美味しいところを抽出して組み入れていく。
この立ち回りが巧く回るとしたら、これほどの強さは無いと思うのです。
同時に、そこで得た利潤を、一握りの本物の天才に回すことが出来れば完璧。
問題は、そういう大局的な視点を国民は持つことが出来ない、という点だけです。
そしてその一点が、全てを台無しにしてきているのだろうな、と思う次第。
なんにせよ、行きすぎたglobalismには、強烈な揺り戻しが待っているはずです。
すでに、その傾向は現れてきているような気もします。
世界は一つなんてのが夢物語だって事は、もう嫌ってほど思い知っているはずだから。
世界は細切れだけれども、寄り添い合って塊になることは出来るはずなのですけれどね。
地域密着型という言い方はアレですが、最終的にはその方向しか無いと思う。
出来るだけ普遍的に通用する型枠を作り、あとは用途に応じて付け足していく。
欧米は、その部分のノウハウを持っていないし、思想的な裏付けも持ってない。
確かに、大量生産の構造を造り上げたのは欧米ではあります。
けれど、それはあくまでも、自国周辺のみを相手にしたものだったと思うのです。
異人種であるということを認識した上で展開したのは、日本が初めてなんじゃないかな。
それが、戦後の爆発的な成長の要因になったのだと思います。
市場経済という構造は、しばらくは無くなるはずもありません。
これ以上に、効率的で堅牢性がある経済の仕組みは、そうそう構築できないから。
壊そうと思っても、この仕組みが持つ柔軟性と事故修復能力の高さは半端じゃないです。
新しい構造が出てこない以上、米国が崩壊でもしない限り、壊れることは有り得ない。
でも、power balanceは確実に変わり始めてますし、市場構造も移りつつあります。
その渦中から外れていっているのが、日本の現状だと思うのです。
その傾向への危機感のないまま進むとしたら、それはそれで凄いなとも思いますけれどね。
それが出来てしまう民族なのかもしれないな、と最近は思ったりもしています。
お気楽というか器がでかいというか。
その分、運営する人たちは大変なのだろうなー。