漂書

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JUGEM IT! from 「クラウド」とはいったい何か ITベンダーは本質を語れ:ITpro

ちょっとふざけた記事を見かけて、長文を書きたくなりました。

見かけた記事はこれ。

「クラウド」とはいったい何か ITベンダーは本質を語れ:ITpro

こういう記事を見かける度に思うんです。

じゃあ、「インターネットとは何か」を説明できるんですか?と。

「電話」は?「道路」は?「鉄道」は?「水道」は?

仮にも「ITPro」という大層な名前を掲げたsiteが、生半可な記事を書いたら駄目だと思うんですよ。

分からないのなら、きちんと調べてから書くべきだと思うんですよ。

クラウド」とは、infrastructureの一種です。

簡単にいってしまえば、仮想化の固まりです。

Network Computingという考え方で、現時点で最も優れた形です。

少なくとも、ぼくはそういう風に捉えています。

Infrastructureということは、つまりどういう事か。

それは、あくまでも「基盤」である、ということです。

つまり、その上で何を走らせるのかが重要なのです。

では、その上で走らせるものを決めるのは誰か?

それは、言うまでもなく「利用者」です。

道路がなければ、基本的に、クルマは走ることが出来ません。

Railが引かれていなければ、列車は走ることが出来ません。

電線が引かれていなければ、電気を使うことは出来ません。

つまり、そういうことなんですよ。

「自社システムの将来はユーザー企業が決めることだ。
そんなこと当たり前です。

なのに、なんで

クラウドコンピューティングというはやり言葉に流されず、システム構築の主導権を握り続けるべきだ」(東山氏)。
と繋がるのかサッパリ分かりません。

使いやすいものを基盤として利用すれば良いだけの話じゃないのですか?

なんで、そこでクラウドを否定する必要があるんですか?

「新しいサービスというが、そのクラウドコンピューティングが何を提供するのかという肝心な説明がない。単なる新しいデータセンターの話に終始している。物理的なインフラと、インフラの使用用途を混同しているのではないか」。IT部門出身のシステムコンサルタントである東山尚氏は、こう話す。
混同しているのは、東山氏自身じゃないかと。

"infrastructure"なのですから、それだけでは、なにも提供なんてしないでしょう。

その上で何を走らせるのかは、クラウドという仕組みとは無関係です。

ここで明らかになったように、一番の問題は、"Infrastructure"と"Service"の区別が付いていないことです。

そこをきちんと理解していれば、何の問題も起こらないのです。

ぼくらが提供しているのは、子供のオモチャじゃないんです。

「自分たちが何がしたいのか」をきちんと定義できる人のための「大人の道具」なんです。

「何がしたいのか」が分からないなら、要件定義だって代行します。仕事ですから。

けど、そのための対価はきちんと頂きます。商売ですから。

ちゃんと要件定義をしてくれるのなら、インスト費用なんて大して膨らまないんですよ。

保守運用だって同様なんです。

きちんと自分たちで面倒みられるなら、費用なんて微々たるもんです。

クラウドになれば、hardwareの費用だってぐっと圧縮できるんです。

仮想化って、つまりそういうことなんです。

そして、これが出来るのがITの持つ最大級の価値なんです。

もっとね、きちんと「対象」を捉える訓練をして下さい。

完全な素人さんなら構わんのです。そのためにぼくらがいるわけですから。

でもね、素人さんなら、素人さんらしく振る舞って頂きたいわけですよ。

山登りとか、川下りとか、そういうのと一緒なんです。

「知らない」ってことは、「費用」が余計に掛かるって事なんですよ。

疑問があるなら質問してくれればいい。ちゃんと答えますから。

ていうか、だいたいは訊かれる前にちゃんと説明してます。

こんなこと、別にIT業界に限った話じゃないです。どんな業界だって一緒です。

Professionalであるなら、「安全側」にweightを掛けるのが当たり前です。

まあ、時にはおかしなvendorがいることも確かです。残念ですけど。

でも、そういうvendorを糾弾するのが、Mass Mediaの仕事なんじゃないんですか?

殆どのvendorは、ただ真面目に仕事をしているだけなんです。

それを、いかにも詐欺の常習犯のように取り上げるのはやめて欲しい。

やっとここまで来たのに、こんな下らないことで潰されたら敵わんのです。

この業界について語るのなら、せめてvendorとタメ張れる程度の知識を身に付けてからにして下さい。