漂書

ぼちぼちと、ゆるゆると

入り口は大切だと思う

人間というのは面白いなぁと、時々、何の脈絡もなく突然思うことがある。

意識上に上らないだけで、何らかの脈絡は必然として存在しているのだとは思うのだけど。

今日思ったのは、なんつーか"epoch-making"の瞬間と形容するかって感じのもの。

黎明期に起こった沢山の発明とか、発明自体ではなく、その時代の感覚とでもいうか。

その一例として、洞窟に住んでた穴居人時代から、木で作った家への移行とか。

その移行の瞬間というものは、端から見ていると面白いんだろうなー、と想像できる。

移行の切っ掛けとなったものが何なのか、不勉強なのでよく分からないけど、なんとなく想像できる。

1.今まで住んでいた場所に空きが無くなった。

2.人とは違うことをしたくなった変人がいた。

大別したら、この二つになるんじゃないかね。

1の理由だとすると、あんまり面白くない気がする。

とはいえ、面白くない理由の方が多いことが殆どなんだけど。

上手く演出すれば、seriousなdramaのネタになりそうな感じと思わないでもない。

けれど、2のcaseも決してゼロでないと思う。

この時の、その集団(集落?)の空気感的な感じって、絶対面白そう。

その場における常識とでもいうものに身を浸して考えてみると。

洞窟に住むってことは、予め何か準備をする必要とかが無いように思うわけです。

それをわざわざ木を切ってですね、それを組んでですね、そこに住もうと思うわけですよ。

道具なんか無いだろうし、組み方なんてのも手探りでしょう。

ようやく何とか形に出来ても、風に飛ばされたり猪に突っ込まれたりして崩壊ですよ。

雨が降ったらあちこちから漏れてるし、暖を取ろうと思ったら燃えたりするですよ。

そんな状況を、洞窟住人たちは冷ややかに見てるとしか考えられない。

ところがなんかの切っ掛けで、みんなが木造住宅に住み始めるわけです。

何があったんだ!と。その気持ちの変化はなんなんだと。

そういう一連の流れを、現代に生きる人の視点として見たら面白いだろうなぁ。

実際、そういう変化の時期というのが、歴史上の様々な局面で起こってる。

NHK「その時、歴史が動いた」なんて番組は、まさにそこに注目してるわけで。

個人的に、必然に駆られて否応なく変わったことよりも、なんでなん?って方を見たい。

後から考えれば正解だったけど、当時は「意味あるん?」と思われていたであろう変化。

始めてナマコ食った人は凄い、なんて言われてるけど、食べ物系は大体そんな感じだし。

学術的に偉大な事だけじゃなくて、もっと根元的な部分の話とかも面白いんだろうなぁ。

だからこそ、考古学という分野に惹かれる人が後を絶たないのだろうなぁ。

多分、人間という生物の営みにおいて、もっとも面白いのは変化の時期。

遠い未来、外宇宙人と交易するときに必要になるから、今のうちに準備しとくべきだね。

学術的な堅苦しいのと、entertainmentとして過剰な演出を施した「魅せる」歴史と。

で、魅せる方の歴史を貪るように味わってみたいなぁ、と思う次第であります。

堅苦しいのは、その後にじっくりと理解していけばそれで良いんじゃあるまいかと。

権威に拘ることも重要だけど、それだけじゃご新規さんは獲得できないからね。

ある程度sensationalな導入部がないと、食いつきはどうしたって悪いから。

まぁ、そうやって新規参入を止める障壁を作ってるのかもしれないけど。

何も歴史に限った話じゃなくて、いろんな分野がそうなのだけれど。

軽くて取っつきやすくて適度に刺激的でなんか後を引く、って感じ。

そういうのを入り口に配備すれば、結構ホイホイ入ってくるんじゃないかなー。

閑古鳥が鳴いて困ってる人たちは、そういう部分を見直すのが良いと思うよ!

と無理やり締める。