漂書

ぼちぼちと、ゆるゆると

「魔法」の効力についての考察に笑った

これはすごい才能。 とりあえず読みましょう。 イオナズンの威力って 無粋ながら解釈など。 何がすごいって、humorだと思います。 もちろん、知識の幅広さや、適切な例示なども素晴らしい。 けれど、この魅力の源泉となっているのはhumorに尽きると思います。 それも、専門的な知識を有していない人でも理解できるhumor。
核融合する必要があるのか、いまいち解せない部分はあるが充分な攻撃手段である。
この結びの切れ味には感心するほか無いです。 また、
となるとやはり物理から攻めるしかない。
という論理展開。 しかないなんてことはないわけで。 さらに、
1出来れば敵を、付近で最も高い木にくくりつける。もしくは頭に長い槍を刺す。 2可能な限りイオナズンを雲方向に連続して大量に放つ。 敵と雷雲間に「棒状イオナズン」を配置できればベストだ。 3とどめに敵にイオナズンを放つ。(受け皿となるプラズマを作成)
の部分。 Nonsenseな光景を克明に描写することで、読み手に状況を想像させています。 克つ、その描写をくそ真面目に行うことで、落差をも演出している。 この結果、よく分からないけど絵面が可笑しい、ということに繋がるわけです。 そしてもっとも秀逸なのはこの部分。
ある命題に対して、「○」か「×」か「パルプンテ」という解から選ぶ事になる。
ものすごい力業なのですが、前段となる論理展開の巧みさがそれを覆っています。 けれど、導き出される答えの奇天烈さは変わりません。 その結果、強烈なGapが生み出される、ということに繋がります。 こういうのをさらっと書けることは、日常生活においては全くの無意味です。 けれど、こういうことを書ける能力がある人は、そもそもの話術が上手いと思います。 文章全体の構成力や、盛り上げ方が本当に秀逸です。 そのため、難解な用語が随所に散りばめられていることが気にならない。 その上、落としどころやpointとなる部分の見せ方が素晴らしく上手い。 Impactのある言葉のchoiceや、その置き方も絶妙です。 結論としては、才能に嫉妬、ということになります。