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爆笑問題のニッポンの教養 | FILE:027「脳を創る男」

もう、ゲラゲラ笑いながら観てました(笑)。

いやー、これは面白いわー。

varietyとしては最上級の可笑しさだと思いました。

いや、ぼくが中身を完全に理解出来るはずもないのですけれどね。

爆笑問題のニッポンの教養 | FILE:027「脳を創る男」

高専時に軽くかじったことはあるので、理屈は分かるんです。

けど、本質的に突き詰めようと思うと、これほど難しい分野はないと思う。

特に、工学的に解き明かすなんて、もはや常軌を逸してると言っても過言じゃない。

太田って言う人は、完全に文系の人なんだなー、と思いました。

理系の特徴というのは、思考停止を意図的に行えることだと思います。

棚上げが簡単に出来、一旦上げた物を簡単にまた取り出すことも出来る。

この柔軟性が、文系の人からは信じられない。

文系の頭からすれば、物事は線形のstoryに「なっていなければならない」。

なので、非線形の分野に数学が入り始めると、途端について行けなくなる。

その典型例が、数式だと思います。

そこに込められている意味を理解するには、とりあえず先に進んでみるしかない。

先に進んでいくうちに、それまでの呪文が一気に理解出来る瞬間というのが訪れる。

それは、本当に「霧が晴れた」という表現しか有り得ないような瞬間です。

その瞬間を越えることが出来れば、「数式の美しさ」を理解出来るようになる。

とはいえ、だから理系かと言えば、それもちょっと違ったりするんですけどね。

文系の人にも柔軟性はある。それは、「定義」の部分。

「前提」というものがカッチリしてなくても、なんとなく進められる。

これを別の言葉で言うと、「直感」って事になるわけです。

ガチガチの理系の人に直感がないと言っているわけではありません。

「直感」の性質そのものが全然違うのです。

展開を予測出来るのと、ものがたりとして線を引いていけることは全然違います。

けれど、その根っこにある物というのは、実は同じなのです。

"Creative"というものの本質が、そこにはあるのだと思います。

無から有を産み出すことだけが"Creative"だ、なんてのは大間違い。

だから本当に頭のいい人というのは、文理の区別なんて存在しないです。

要所要所で適切な方を選択しながら、先へ先へと突き進んでいける。

あらゆる物事を柔軟に、その対象の性質に合わせて対処していくことが出来る。

必要なのはtechnicだけで、それは経験と共に自動的に蓄積されていく。

あとは、整理と統合を繰り返して最適化していけばOK。

天才という人種は、この最適化のprocessがとんでもなく早い人だと思います。

どちらかしか出来ない人は、specialかもしれないけど、geniusではあり得ない。

田中は、非常に素直な人なんだと思います。

それは、これまでの反応とかを見ていれば容易に推測出来る。

本質を理解しなくても、そこにある現象を認識することが出来る。

太田という人がガチガチの文系なので、balanceがとても良いことが分かります。

neural/chaosというのは、まさに文理の統合です。

どちらかだけでは、早々にその行く先は閉ざされてしまう。

両端の釣り合いを取りながら、少しずつ先へと進めていくしかない。

となれば、その発展に必要なものは、単純作業をいかに効率よくこなしていけるかに懸かってる。

ですから、Computingの発展が、この分野の発展に直結していくのです。

Networkingとdeviceは、まだまだこれからも伸びていきます。

ある閾値を越えると、あらゆる物事がneural/chaosで解決出来るようになると思う。

まあ、その閾値は、たぶん物理的に到達不能な場所にあるのだろうとは思います。

けれど、速度が光速へと限りなく近づけるように、限界に近づくことは出来る。

となれば、比較的単純な物事から、複雑な方向へと進んでいくことは可能なはず。

さらに、発展の途中で、お互いの相乗効果ももたらされていく。

きっと100年かからないうちに、『世界』の解剖図が殆ど完成されるのではないか。

今の時代というのは、そういう時代の真っ直中だと個人的に思っています。

ぼくらが老人になった頃、若人から羨ましがられる時代に、絶対になる。

だから、きちんと目を開いて、耳を澄まして、全身で時代を感じていきたいと思います。

何気ない風景のなかにも、世界を変える切っ掛けというのは絶対に潜んでる。

その時、自分の知らない場所で世界が変わってたりしたら、ちょっとつまんないです。

自分が世界を変えることは出来なくても、変わっていく時代の姿は見ていたい。

これほど、黎明期の技術が乱立してる時代というのも、ちょっと珍しいですから。

と、妄想全開な戯れ言はさておき、番組はとても面白かったです。

ここまで来てんだなー、ってのも新鮮だったし、方向性も大体分かったし。

何より、爆笑問題が本当に可笑しかったし。

科学を解説する番組なら、とてもじゃないけど及第点には達せてません。

けれど、これはvarietyなので、そういう意味では100点満点に近かったと思います。

何より、一般人から見た科学というものが、とてもよく切り取られていたから。

この番組を観て、興味を持った人も相当数いると確信出来ます。

そして、この放送そのものが、chaosという現象を端的に表していたと感じました。

NHKは、ほんとに良い仕事しますねー。