漂書

ぼちぼちと、ゆるゆると

四季賞 - 2007年 冬

毎度の事ながら、読むのが遅いのは仕様です。

ちなみに、本誌の方はまだ読んでません。はっはっは。

あのー、買ったら安心しちゃって、なかなか読まないってあるじゃないっすか。

そーそー、それですそれ。あるよねー?無いわけ無いよねー?むしろ多数派だよねー?

こんなところまで少数派に属してたら、なんか駄目な気がするのですけれど。

まあ、駄目な分類にがっつりと属してることは自覚してんですけどね。ほっとけ。

個人的に、今回の大賞は『WORKING ROBOT / 野村亮馬』でした。

もちろん、大賞受賞作も面白かったんですけれどね。

けど、WORKING ROBOTの方が、新しい気がする。

というか、ぼくがこの漫画の雰囲気を好きなだけかもしれない。

なんというかね、「薄い」んですよね。薄味。

そんでもって、なんか軽い。浮いてる。ふわふわと。

二つ合わせると「軽薄」になるんすけど、ところがぎっちょんそうはならない。

小田扉氏とか北原正道氏の漫画と、同じ味わいを感じさせてくれるのです。

この、なんとも言えない「緩さ」の具合が気持ち良いのですよ。

絵柄の上手さも、作品の醸し出す緩さと良く合っていて、さらに気持ち良いです。

こういう漫画って、難しいと思うんですよね。「読める」ところまで持ってくるのが。

油断してると、ただ退屈なだけの漫画になっちゃうような気がします。

それを、きちんと「読ませる」ところまで持ってきているのが素晴らしいと思う。

まあ、「読ませる」なんて押し付けがましさは微塵も感じさせないんですけど。

そんな元気はありません、って雰囲気が素敵。

連載にならないかなー。この人の漫画。毎月載ってたら嬉しいと思う。

「ぺし」も終わっちゃったし。好きだったんだけどな。あの力の抜け加減が。

他の三作品も、相変わらずの質の高さ。

分野を全く絞っていないのが素晴らしいですね。

選者の方たちは、本当にご苦労様だと思うですよ。

毎回毎回、よくもまあ、きちんと質の高い作品を選び取るもんだと感心します。

読むだけでもしんどいよね。酷い作品も相当数あるんだろうし。

次回の四季賞も楽しみにしております。