漂書

ぼちぼちと、ゆるゆると

JUGEM IT! from 誰でもプロフェッショナルを目指せる:ITpro

本音を言うと、大前研一氏の意見には、あまり同意できない事が多いです。

けど、今回の記事は面白かった。長いけど。改頁多すぎるけど。

誰でもプロフェッショナルを目指せる:ITpro

共感をした部分を抜粋していこうと思います。

P.5

「私たちはソリューション・カンパニーです」などと気軽に言っているが、経営のソリューションを持っている会社などほとんどない。ソリューションとは自分達の得意技のことであり、それをさもユニバーサルなソリューションであるかのごとく説明し、それだけを押し売りする会社ばかりになってしまった。
これ、本当にその通りだと思います。

お客さんと向き合って、お客さんの問題を解決しようというvendorは皆無に近いです。

もちろん、この傾向の原因には、お客さん自信の問題も多分にあります。

けれど、そういう風にしてしまったのも、vendorなのではないかなぁ、と。

まず、お客さんの話を聞いてないですもんね。

そんな態度にお客さんが怒ると、今度は言われた通りに作るだけ。

結局、売らんかなだけでしかなくて、問題を解決しようなんてハナから思ってない。

そもそも、お客さんの現状に対して興味があるとは思えない。

P.13

世の事象の大半には答えがない。だから、その場その場で勇気を振り絞って考えるしか道はない。「この世界でこの問題に答えを出せるのは自分自身しかいない」。このようなメンタリティになれるかどうかが、自分の創造性を発揮し、プロフェッショナルとなるための最も重要な条件だ。
それが、つまりはその人の価値、なのですね。

答えは一つではない、というのが、世界の面白さでもあるわけです。

なぜ、自分はその答えを選んだのか、というところに「個性」があるのです。

そもそもそれ以前に、「問題」を見つけるところが「個性」なのですけれど。

そして、その「個性」を自覚することが、誇りへと繋がっていくのだと思います。

誇りが身に付くと、視点が自然に上がります。より遠くを見ている自分に気が付くはず。

問題を見つけよう、という姿勢が、自然に遠くを見させる事へと繋がっていく。

問題さえ見つけることが出来れば、あとはひたすら考え、探すだけです。

P.16

世の中には「アバウト正しいレベル」で済むケースと、「100%に限りなく近いレベル」を要求されるケースの両方がある。プロフェッショナルは、かなり早い段階でこの違いを認識して手を打つ。
これは非常に重要だと思います。

もっと言えば、手を抜ける箇所を即座に判断できるかどうか。

手を抜く、というと、サボっているような悪い意味にしか見えないかもしれません。

けれど、それは大きな間違いです。

費用と工数との兼ね合いや、お客さんのgradeなど、見るべき場所は多岐に渡ります。

それらを総合的に評価し、最適な労力を即座に導き出す、ということです。

費用は潤沢、担当は親身、工期は余裕、という好条件なんてまずあり得ません。

足りない部分を見極め、それに見合うだけの労力を提供することが重要。

常に対等な関係を構築していくことも、professionalの仕事だと思います。

P.23

簡単に成功できることなど何もない。けれども、好きな仕事、好きなことに集中して取り組めば、成功への可能性は大きくなる。
結局はこういう単純な所に帰結します。

「好きこそものの上手なれ」は本当に至言。

ただ、趣味を仕事にしてはいけない、とも思います。

仕事として割り切れるだけの客観性を持っていないと、潰されてしまうから。

個人でやるのなら話は違ってくるとは思いますけれど。

「遊び」として好きなのと、「仕事」として好きなのとでは明らかに違います。

ここを混同してしまうと、不幸な結果にしかならないような気がします。

じっくり読んでみるだけの価値はあると思います。長いですけれど。改頁多いですけど。