JUGEM IT! from THE SHOW MUST GO ON > 通信屋の目線、IT屋の目線 : ITmedia オルタナティブ・ブログ
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「通信屋」の端くれとして、所感を書いてみることにします。
文中では、
有線・無線のLANやIP電話はIT屋の仕事とされておりますが、個人的な感覚では、LANは通信屋に入るかな、と。
必ず出てくるのが責任問題。
どこから何処までがどちらの責任なのか、そもそも誰の責任であるべきなのか?ぼくは、お客さんに一番近い場所にいる業者の責任だと思います。
その理由は、お客さんの要望や予算をもっとも把握できる位置にいるはずだから。
お客さんが求めている内容を理解し、それを実現するための機器や回線などを選定する。
それが満足に出来ないのであれば、そもそも仕事を請け負うべきではありません。
言うなれば、何かを構築する前段階、つまり設計を請け負っているわけです。
その段階での仕事がショボショボだと、構築のすべてが連鎖的に壊れていきます。
ITの構築に限らず、殆どの分野において、設計が成功要因の80%以上を占めます。
不慮の事故というのは完全に無くすことは出来ませんが、設計段階で殆ど潰せます。
設計通りに構築出来る実行力が、残りの要素です。
そして、その実行力を担うのは、個々のengineerの技術力と思いがちですが、実は低いです。
本当に重要なのは、その構築全般において旗を振る能力です。
いろんな業種に跨る分野だからこそ、頭を張る業者の重要性はかなりのものです。
個々の業者にも責任はもちろんあります。
けれど、最初に問題に気付かなかったことが全ての原因です。
仕様や制限事項などは、必ず明示されているはずなのですから。
想定外のbugとかが問題なのであれば、そもそも責任問題で揉めないでしょう。
ITの構築の際に重要なのは、作業分担の明確化です。
誰が何を担当し、それは何を実現するのかという要件定義が必須です。
ここが曖昧なままで進むと、どこかの段階で絶対に躓きます。
責任問題が出てくる時点で、そもそもの設計が間違っているのです。
どこかで純粋な通信の先、お客様のアプリケーションや運用に非常に近いところまで踏み込んでお客さまとお話しないと、ついてゆけない。相手にされない。でも、メーカーでもないし、SI事業でもない。これは、ITという分野において、どの位置に居ても重要となる事柄です。
自分の居る範囲だけしかfollowできないengineerは三流です。
他業種との接続点と、その先にある相手側の受け口までをfollowできて二流。
業界全体のfollowが出来るようになれば一流、でしょうか。
といっても、何も総ての内容を完璧にmasterしている必要はありません。
総ての内容について、それを支えているstoryを読みとる事が重要なのです。
それは、例えばarchitectureの思想であったり、traffic flowの制御であったり。
どうやって為しているのかではなく、なぜ為そうとしているのかを理解することです。
専門技術の能力も重要ですが、system全体を俯瞰できる能力も同じくらい重要です。
前者がengineer、後者はarchitect、と呼ぶべきなのでしょうね。
両者に共通して重要なのは、自分で線を引かないこと、だと思います。
といっても、何でもかんでも抱え込む、というのとは違います。
役割分担を正確に把握して、該当する業者へ引き継げることも重要な能力です。
理由を説明し、ちゃんと連携を取って、正常稼働へと導くこと。
それは、ITに限らずどんな分野においても必須となる能力だと思います。
あと、自分が出来ることと出来ないことを正確に見積もれることも。
ITというのは、別に特殊な業界ではないとずっと思っています。
新しい上に変化が激しく、区分けすることがちょっと難しいだけ。
でも、業界で5年も働けば、嫌でも区分けは理解できてくるはずです。
その認識の上で、自分がfollowできる範囲を広げる努力をすることが重要なのだと思います。
自分には何を求められているのか、を正確に読みとり、理解すること。
求められている内容を、自分が完璧に成し遂げられるかを自問すること。
重要なのは、この2点だけだと思います。
これがバッチリなら、立ち位置なんて自然と見えてくるはず。
その上で、自分はどこに立ちたいと思っているのかを正確に認識してみる。
求められている立ち位置が低すぎるなら、上に行くための事柄を読みとること。
そして、それを自分が成し遂げられているかを自問すること。
ちゃんと出来ているのに上に行けないのなら、さっさと所属を変えれば良いだけの話。
報償とか遣り甲斐とかそういうのは、後から幾らでも付いてくる種類のものだと思います。
業界の激震はまだまだ続くでしょうね。
質の悪い業者が篩い落とされて、優良な業者だけが残ってくれれば良いんだけど。
そして願わくば、その残った業者にうちが入っていられるように。
その為には、日々研鑽あるのみなんだろうな。やっぱり。ローマは一日にしてならず。