Interop Tokyo 2012 1日目 「仮想化とネットワークの関係、徹底解剖」
4つめはClassroomでの講演。
この講演は、かなり勉強になりました。
「次」が見えたような気がしますね。
○ 仮想化とネットワークの関係、徹底解剖 14:00-14:40
講演者:小宮 崇博氏 (ブロケード コミュニケーションズ システムズ株式会社)
・イーサネットファブリックスイッチというものについて。
→ 他に、Cisco、Juniperも作っている。
・なぜ従来のネットワークでは駄目なのか
→ サービス事業者が自らのDCだけでビジネスしているだけでは、勝てない。
→ バックエンドにパブリッククラウドを使う → ハイブリッドクラウド化に向かう。
・ビジネスシステムは、ビジネスロジックとビジネスデータを足したもの!
・プライベートの先における課題
→ DC内ネットワーク帯域が逼迫
→ 仮想化技術(製品)に依存
→ 複雑化
・80%のトラフィックはDC内で発生し、DC内で完結している!
・サービス収容密度の高いネットワークが必要である。
・クラウドサービスのための高い利益、低いコストを実現するネットワークが必要である。
・低運用コストを実現するシンプルなネットワークが必要である。
1.L2ネットワークの低い利用効率(STPによる影響)
→ STPには複雑な設計と運用が必要
→ マルチパスが出来ない
2.収容密度と仮想化オーバーヘッド
→ サーバ仮想化時のボトルネックはストレージ!
→ 収容度を上げるとボトルネックになっていく → 仮想化するだけで性能は4分の1にまで落ちる。
→NFSの場合、ハイパバイザのオーバヘッドは、最大50%にもなる
これが、FCoEの場合だと、数%程度になる。
3.サーバに最低1台の仮想スイッチが入る→ どうやって制御する?
→ vDSならまとめられるけど、根本的な解決にはなっていない。
→ マイグレーション時の問題
→ VLAN、QoS、ACLがVmに紐付かない → 運用者間での同期が必要になる。
・イーサネットファブリックとは(VDXシリーズについて)
→コンセプトはどのメーカでも同じもの。
→データセンタネットワークの基盤になっていくだろう。
→ ブレードシンフォニーに、VDXシリーズのブレードスイッチが入っている。
→ TRILLを使用する。
→ スイッチに対してIDを個別に被らないように振る→ 繋ぐ
→ 外から見ると、大きな1台のスイッチに見える
→ シャーシまたぎのLAGが可能
→ ハッシュを懸けてパケットを分散し、マルチパスをすべて使うことが可能。
→ マルチベンダ
→ ライブマイグレーションはMACアドレスベースで端末に紐づけて制御できる。
→ AClとかも可能 → ゼロオペレーションでの運用が可能!
→ LAN/SANの統合が可能(FC/FCoEを統合できる)
・ファブリックによるメリット
→ スモールスタートが可能(必要な分だけ準備すればOKなので)
→ シャーシ型では無くボックス型が基本となる。
→ SANベースの技術なので、安定した稼働が可能 → ブロケードとしての強み
・SDN/OpenFlowへのヴィジョンについて
・オーバレイ技術(VXR、FCoIPなどL3にカプセル化する技術を使って、LAN/WAN/SANを繋ぐ)
・ファブリックはただのL2ではない
→ LBやFWなどをファブリックにアタッチして、全体を高機能化する
ワークロードをDC間でシェアすることが出来る
→ ここ一年で実現していくはず
・ DC間のファブリックを繋ぐ→OpenFlowではない
→ DCのユーティリゼーションが上がり、投資リスクが下がる
・ブロケード以外の機器が入っているDCに関しては、ソフトウェアでコントロールする
・ファブリックとOpenFlowはレイヤが違う!
→ ファブリックは下位レイヤ、OpenFlowはアプリケーションレイヤ
→ 来年には、この話がリアルになってくるだろう
・Hadoopクラスタの中心にイーサファブリックを入れ、SIを自営にしたサービスベンダがいる
感想
初めにも書きましたが、この講演、かなり勉強になりました。
具体的なEthernet Fabricの話が聞けたことは、結構大きい収穫だったと思います。
特に、Ethernet Fabricは、Fiber Channelから来ているという話は目から鱗でした。確かにそうだよなあ。
あと、仮想化したときのBottleneckがStorageにあるというのは、なるほど、と感じました。
ただ、遅延の数値が予想以上に大きかったですねえ。
Hop-By-Hop、Over-Ray、そして、Ethernet Fabricは、用途によって使い分けていく形になるのかな。